ここまで急速に筋トレが世に普及した要因はどこにあるのでしょう?
それは入り口の広さにあると考えます。
例えば自分のもう一つの趣味であるサーフィンの場合、当然ながら海に行く必要があり、日の出ている早朝〜夕方にかけてのみ可能(既に普通の社会人には厳しい)ですが、そもそもその日その場所に波があるのか?または自分のレベルに合った波なのかは運次第です。
混雑するポイントや土日祝日は上手い人が全ての波を取るため、初心者は事実上練習ができません。邪魔しようものなら怒鳴られます。サーフィンスクールのホームページに掲載されているようなウェルカムムードなど実際には存在せず、海の中はたいてい殺伐としています。この時点で入り口は激狭。。
サーフボードはもちろん、それを積載する車、季節に合わせたウエットスーツもろもろアイテムの購入も必須となり、掛かる費用や荷物が嵩みます。
筋トレなら24時間365日可能で、昨今であれば生活圏内にあるジムの月会費は数千円。時間帯によっては混雑もしますがマシンは逃げないので待っていれば空きます。
強いて難点を挙げるなら、一部のモラルに欠けたマッチョに遭遇することがあるくらいでしょうか。しかしマッチョは大抵気が小さいので、怒られたりすることはほぼないでしょう。これは安心ポイント。
アイテムはTシャツに短パンとスニーカーがあれば十分です。
となると次の問題は『それを継続できるか』になります。
結論から言うと恐らくできません。
世の多くの人の筋トレやダイエットが続かない理由は、手軽さやコストの問題ではないからです。
では何が問題なのでしょうか?
パーソナルジムのブログのセオリーで言えば、ここで
「パーソナルトレーニングでプロの的確な指導を受け、効果を最大限に引出しましょう!私にお任せください。」といきたいところなのですが、残念ながらそれで解決する問題でもありません。
それならどうすれば良いか。
トレーナー歴20年に差し掛かった自分の現時点での答えは「どうにもならない。」です。
なんだか卑屈でネガティブな言葉のようですが、
フィットネスに対しての興味や熱意、また体質やセンスはあまりにも個人差が大きく、他者が介入できる範囲は限られます。
だから諦めましょう。と言うわけではなく、
「続けられないのは仕方がない、思うように効果がでないのは仕方がない。」そう考えることが唯一継続する方法に近いのかもしれません。
数年後に筋トレブームが去った後、地味〜に続けているごく一部の人の手助けとなれば、トレーナー冥利に尽きたと思えそうです。
『入り口は広いが、道は狭い』
その本質はブームになった今も、自分が始めた当時も結局変わっていないことに、筋トレの意地の悪さを感じます。
そして、それこそが自分にとって最大の魅力でもあります。

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nishi